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特集 ここまできた! 頭頸部希少癌の治療戦略
聴器癌(外耳道癌)
Cancer of the temporal bone(cancer of the external auditory canal)
志賀 清人
1
Kiyoto Siga
1
1岩手医科大学医学部頭頸部外科学科
pp.105-109
発行日 2019年2月20日
Published Date 2019/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201929
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POINT
●聴器癌(外耳道癌)は希少疾患であり,他の頭頸部扁平上皮癌とは異なる臨床像を呈する。症例は女性が多く,外耳道真珠腫などとの鑑別も必要であり,生検による病理診断の確認が必須である。
●造影CTによる腫瘍陰影と骨破壊像の程度の診断が病期分類の決め手になる。診断時には進行癌となっている場合も多い。
●根治手術が可能な場合は手術治療も可能であるが,解剖学的に切除マージンが取りにくく,病理で切除断端陽性になる場合が散見される。また側頭骨亜全摘などの根治手術は,熟練した術者がいない施設では困難である。
●頭蓋底への進展例など手術困難例で行われている化学放射線治療は,標準的なシスプラチン(CDDP)レジメンでは無効なことが多く,今後の治療成績向上のためには新たな併用療法の有用性を確認する臨床試験が望まれる。
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