Japanese
English
特集② 味と味覚障害の最前線
味覚はどこまでわかったか
How far we know about the taste
長井 孝紀
1
Takatoshi Nagai
1
1慶應義塾大学医学部生物学教室
pp.612-621
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200684
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Point
●甘い,酸っぱいなどの味が味覚の受容器と神経系の働きで,どのように区別されているのか解説する。
●味蕾には苦味,甘味,旨味を受容する細胞群と塩味,酸味を受容する細胞群とがある。
●味覚の神経系が味質をどのように区別して脳へ伝えているかについて,ラベルドライン説とニューロンパターン説という2つの考え方がある。
●第一次味覚野では味質ごとの機能局在があるが,特定の味質に応答するニューロンの分布領域には重なりがあるといわれていた。
●第一次味覚野でCa2+濃度変化を測定した最近の研究では,苦味,甘味,塩味,旨味刺激に特異的に応答し,それぞれの味質ごとに明確に分離された領域が同定されている。
●顔面神経神経節の単一ニューロンで味刺激時のCa2+濃度変化を調べると,1種類の味刺激への特異性がきわめて高く,ラベルドラインによって情報伝達されるとの主張がある。
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