Japanese
English
主題 味覚・2
ハエの味覚
Taste of the fly
白石 昭雄
1
,
森田 弘道
1
Akio Shiraishi
1
,
Hiromichi Morita
1
1九州大学理学部生物学教室
1Department of Biology, Faculty of Science, Kyushu University
pp.238-252
発行日 1969年12月15日
Published Date 1969/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902822
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序
ハエの味覚に関する研究分野を大別すると,外界からの化学刺激を電気的な変化に変える変換器としての受容器の機能の問題,受容器からの情報がどのような道筋を通つて中枢へ伝えられるか,といつたcodingの問題,最後にこれらの情報が中枢でどのように処理されるかといつた情報処理の問題などがある。また,従来の研究方法を分類すると,ハエの個体そのものを使つて,その吻伸展反射などを指標として実験を行なう行動生理学的方法,神経系のある特定の場所に電極を刺入して,その情報を直接取り出し,観察記録することにより実験を進める電気生理的方法などがある。ここでは主として,後者の方法を使つて得られた結果を基にして,ハエの唇弁化学感覚毛のなかにある受容器の一般的性質,さらに受容器興奮の機作に関するこれまでの知見を述べる。
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