Japanese
English
特集 注意すべき真菌症診療の落とし穴
≪部位別:真菌症診療の実際≫
食道
Esophagus
照屋 勝治
1
Katsuji Teruya
1
1国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター
pp.410-416
発行日 2015年5月20日
Published Date 2015/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200644
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POINT
●食道カンジダ症を診断した場合には,細胞性免疫の低下,特にHIV感染症の可能性や血液系悪性腫瘍などによる免疫不全状態を考慮する。局所的要因としてH2ブロッカーやPPIの長期内服と吸入ステロイド剤の有無を確認する。
●食道カンジダ症を診断した場合には,患者の同意を得たうえで原則としてHIVのスクリーニング検査を行うべきである。
●症状から本症を疑い,FLCZによるエンピリック治療を行ってそれが有効であれば,食道カンジダ症と臨床診断してよい。
●β-D-グルカンなどの血清抗原は,食道カンジダ症では通常は上昇がみられない。
●反復例については,症状に応じて適宜短期間のアゾール系薬剤による治療を繰り返す。安易なアゾール系薬剤の長期予防投与は耐性化の懸念から慎まなければならない。
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