特集 耳鼻咽喉・頭頸部領域の痛み—その機序と臨床
II.癌性疼痛
X線画像診断ならびに放射線療法の適応と限界
寺嶋 廣美
1
,
山下 茂
1
,
中田 肇
1
1産業医科大学放射線科
pp.833-840
発行日 1989年10月20日
Published Date 1989/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200422
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はじめに
癌による痛みは発生部位,進行度,個人により様々である。癌性疼痛の中で問題になるのは根治不能の進行癌,再発癌や転移癌によるものである。癌による痛みは持続的で肉体的にも精神的にも患者を苦しめる。この苦痛を和らげることは癌治療医の大きな課題である。癌性疼痛の治療は手術,放射線療法,化学療法,ホルモン療法などの根本的治療と,鎮痛剤,神経ブロックなどの対症療法とに分けられる。放射線療法は根治的治療とともに対症的治療としても適応範囲が広い。頭頸部癌は疼痛の発現率が高く80%を超える1)。ここでは痛みを伴う頭頸部癌の画像診断と放射線療法の役割について述べる。
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