増刊号 画像診断パーフェクトガイド―読影のポイントとピットフォール
部位別診断法
Ⅴ.頭頸部
先天性囊胞・瘻
肥後 隆三郎
1
1昭和大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.268-273
発行日 2014年4月30日
Published Date 2014/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102847
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画像診断の狙い
頭頸部に腫瘤を認めた場合に鑑別すべき疾患は感染性,炎症性,先天性,腫瘍性など多岐にわたる。この項ではこれらのなかで特に頸部の先天性囊胞・瘻に焦点を絞って述べることとする。頸部の先天性囊胞・瘻はもともと稀な疾患ではあるが,それらのなかで比較的頻度が高いのは正中頸囊胞(甲状舌管囊胞),側頸囊胞,下咽頭梨状窩瘻,リンパ管腫である。2007~2013年の7年間に当科を受診し,入院加療に至った症例数の内訳をみると正中頸囊胞と側頸囊胞が7例ずつ,下咽頭梨状窩瘻が1例であった(表1)。リンパ管腫は比較的若年でみつかることが多く小児外科で治療されたり,また当科では硬化療法を行っていないため,この期間内で入院加療した症例はなかった。本稿では正中頸囊胞,側頸囊胞,下咽頭梨状窩瘻の3疾患について画像を供覧し読影のポイントとpitfallについて述べたいと思う。
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