特集 教科書にない小児外科疾患の最新情報―国内外の文献・ガイドラインから―
先天性囊胞性肺疾患
黒田 達夫
1
,
渕本 康史
2
,
松岡 健太郎
3
,
野澤 久美子
4
Tatsuo Kuroda
1
,
Yasushi Fuchimoto
2
,
Kentaro Matsuoka
3
,
Kumiko Nozawa
4
1神奈川県立こども医療センター
2国際医療福祉大学小児外科
3東京都立小児総合医療センター検査科
4神奈川県立こども医療センター放射線科
pp.539-542
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000833
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はじめに
先天性囊胞性肺疾患は「肺実質内に気道以外で先天性に肉眼的あるいは顕微鏡的な非可逆的に拡張した腔が存在する状態」と定義される。胎児診断技術の進歩と普及に伴い,一部の症例は子宮内胎児死亡や生直後の重篤な呼吸障害など周産期のハイリスクを負うことが明らかにされ,近ごろ,わが国の診療ガイドラインがまとめられた(表)1)。このガイドラインでは先天性囊胞性肺疾患に含まれる各疾患の概念が新たに整理・分類されたが,近年の知見から抜本的な疾患概念の見直しや再分類の可能性が指摘されている。加えてガイドライン作成以降の手術手技の進歩を反映した新規治療方針も提唱されている。
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