特集 急患・急変対応マニュアル―そのとき必要な処置と処方
Ⅳ 疾患ごとの救急処置法・処方
■炎症/感染症
耳性頭蓋内合併症
長井 慎成
1
,
東野 哲也
1
1宮崎大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室
pp.182-188
発行日 2013年4月30日
Published Date 2013/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102474
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Point
◆耳性頭蓋内合併症には,硬膜外膿瘍,髄膜炎,硬膜下膿瘍,脳膿瘍,血栓性静脈洞炎などがある。
◆急な耳漏の増悪や停止,頭痛,嘔吐,意識障害などの全身症状を伴う場合には耳性頭蓋内合併症を念頭に置く。
◆頭部CTでは側頭骨病変が見逃されることがあり,側頭骨ターゲットCTに加えMRIでの評価が必須。
◆治療の原則は抗菌薬投与と中耳原発巣のドレナージ。
◆抗菌薬の進歩に伴い頻度,致命率ともに激減しているが,一方そのために症状がマスクされ診断が遅れるケースが増加してきている。また肥厚性硬膜炎のような新たな疾患も念頭に置き対応する。
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