Nursing Study・17
耳性頭蓋内合併症の看護について
村島 二郞
1
,
安藤 とき子
1
1国立大村病院耳鼻咽喉科
pp.197-199
発行日 1957年4月15日
Published Date 1957/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910337
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(1)耳性頭蓋内合併症
急性化膿性中耳炎より急性乳様突起した場合,又は慢性中耳炎で仮性真珠腫を形成した際等に,その炎症が頭蓋内に波及して頭蓋内合併症をおこすのであります。即ち(A)硬脳膜外膿瘍(B)静脈洞炎及び血栓(C)軟脳膜炎(D)脳膿瘍,等が続発します。之等のうち硬脳膜外膿瘍が最も多く見られ全頭蓋内合併症の約60%を占めており,その次に軟脳膜炎,静脈洞炎及び血栓,脳膿瘍の順に尠く見られます。此等疾患の予後は硬脳膜外膿瘍が比較的良好でありまして大多数治癒しますが,他の頭蓋内合併症の予後は甚だ不良で軟脳膜炎の治癒率は42.9%(1947,金野)脳膿瘍に就いては最近の統計で27.3%(新潟大学)という低い治癒率でありましてペニシリンはじめ幾多の抗生物質が多量使用される現在でも予後は決して油断を許さないのであります。然してその早期診断が予後を決定ずけます。
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