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5月の連休です。週明けに新潟で行われる日本耳鼻咽喉科学会の準備に追われながら,このあとがきを書いています。私の担当は最終日午後のシンポジウム「舌口腔癌治療の最前線」です。日本耳鼻咽喉科学学術講演会の参加者数は年々増加し,最近は5,000人前後と日本耳鼻咽喉科学会員の半数近くが参加されるようになりました。頭頸部癌学会と違って,聴衆の多くは専門外の先生になりますので,できるだけ解りやすくなるように心がけてスライドを作っています。ところで,学会の書籍売り場で,もう見かけられた先生もおられるかと思いますが,本年度の本誌増刊号「最新の診療NAVI―日常診療必携」が発行されました。こどもの診療,難聴,めまい,音声・嚥下・睡眠,麻痺と痛み,外傷,炎症・感染,囊胞性疾患,腫瘍性疾患,アレルギー性疾患,好酸球関連疾患など日常遭遇するさまざまな耳鼻咽喉科領域の疾患に加え,最近話題のIgG4関連疾患など新たな概念の疾患も取り上げています。専門医を目指す若い先生の試験勉強にはもちろんのこと,基幹病院にお勤めの先生や開業の先生のブラッシュ・アップにも最適な一冊に仕上がったと思っています。診察室の机上に一冊,ぜひご用意ください。
さて,本号の特集は「耳鼻咽喉科手術におけるナビゲーションとモニタリング」です。友田先生も書かれているように手術用ナビゲーションが全国に普及し,ドライブにカーナビゲーションが必須なのと同様,今では鼻副鼻腔や頭蓋底の手術には欠かせない手術支援機器となりました。一方,神経のモニタリングもなくてはならない手術支援機器の一つです。とりわけ,私のように毎回若い医師たちを指導するものにとっては,神経刺激装置なしでは怖くて手術ができません。本特集では友田先生の総論に続き,九州大学の松本先生に耳の手術,慈恵医科大学の鴻先生に鼻・副鼻腔の手術おけるナビゲーションについて,大阪医科大学の河田先生に耳下腺手術における顔面神経,防衛医科大学の荒木先生に反回神経のモニタリングについて解説していただいています。
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