手術手技
食道癌手術における術中反回神経モニタリングを用いたリンパ節郭清
中野 徹
1
,
柴田 近
1
1東北医科薬科大学病院消化器外科
キーワード:
腹腔鏡下食道切除術
,
反回神経
,
術中神経モニタリング
Keyword:
腹腔鏡下食道切除術
,
反回神経
,
術中神経モニタリング
pp.349-356
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001583
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食道癌手術において左右の反回神経周囲のリンパ節郭清は,手術の根治性に重要と考えられている1,2)。しかし,郭清操作に伴う術後反回神経麻痺は術後の誤嚥や肺炎の原因になる可能性があり3),縫合不全,肺炎と並ぶ重要な合併症といわれている。反回神経は術中操作により容易に麻痺しやすく,牽引や把持,エネルギーデバイスによる熱損傷が主な要因と考えられている4)。術中操作に十分留意し,これを回避することが術後経過や患者のQOL維持の点で重要である。術中神経モニタリング(intraoperative nerve monitoring;INOM)は術中に専用のプローブで神経を刺激し,筋電位を測定することで神経機能をモニタリングするシステムである。甲状腺手術では有用といわれており5),保険適用されている。食道癌手術においても近年,反回神経の探査や機能評価のために施行されてきており,今後適応が広がることが予想されている。
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