特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅱ.難聴診療NAVI
7.耳硬化症
植田 広海
1
,
内田 育恵
1
,
岸本 真由子
1
1愛知医科大学耳鼻咽喉科
pp.65-69
発行日 2012年4月30日
Published Date 2012/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102135
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Ⅰ 疾患の概説
耳硬化症は,側頭骨内の骨迷路の骨の異常な骨海綿状変性とそれに伴う骨新生(リモデリング)によって発生する病態である。通常骨迷路は生涯にわたってほとんど骨代謝は生じないが,何らかの原因によって骨吸収が生じその修復機転として骨新生が起こる。原因は不明であるが環境因子と遺伝因子両方が関与した多因子疾患であるとされる1)。その好発部位が卵円窓窩であるためアブミ骨固着を生じて伝音難聴を呈する。また,蝸牛骨包に生じれば(蝸牛性耳硬化症)内耳障害を生じ混合難聴を呈する。
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