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特集 日常診療で遭遇するトラブルへの対応
嚥下検査時のトラブル
Problems in swallowing function test
三枝 英人
1
Hideto Saigusa
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.25-28
発行日 2012年1月20日
Published Date 2012/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102040
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Ⅰ はじめに
嚥下障害の検査法には,水飲みテストなどで代表される簡易検査と嚥下内視鏡検査,嚥下透視検査などが行われている1)。それらの検査施行時には,「その検査で何の情報が得られるのか」,「その検査を行ううえでの留意点」,「検査結果判定上の留意点」をよく知ったうえで,施行することが重要である。それはわれわれ耳鼻咽喉科医師が,問診を行わず,また,耳鏡所見,鼓膜所見を求めないままに標準純音聴力検査を,さらに語音明瞭度試験を行って,難聴の有無と難聴の原因を語ることがあり得ないのと同様である。しかし,嚥下障害の検査といえば,すぐに無事に嚥下できるか否か,誤嚥するか否か,ムセるか否かといった点にだけ意識が集中されてしまう傾向にあるように思う。安全な経口摂取はQOLとして重要なものであるとともに,嚥下障害は誤嚥や窒息,肺炎の発症,脱水や栄養障害という生命維持に直結する問題をはらんでおり,検査を行う場合には,遭遇し得るトラブルについても含めて知識をもち,あらかじめ対処法を講じておく必要がある。本稿では,嚥下検査時のトラブルと対策について解説を行う。
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