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特集 知っておきたい皮膚科の知識―専門医の診方・治し方
薬疹
Drug eruption
塩原 哲夫
1
Tetsuo Shiohara
1
1杏林大学医学部皮膚科
pp.931-934
発行日 2011年11月20日
Published Date 2011/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102000
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Ⅰ.はじめに
薬疹はもっぱら皮膚科医の専門領域となっており,他科の医師はその診療に積極的に参加することはない。しかし,薬疹と同じ現象は必ず他臓器にも起こっているはずであり,皮膚ではそれが最も容易に見つかるために薬疹のみが注目されてきたに過ぎない(と筆者は思っている)。今,薬疹の領域は,その概念が大きく変わる変革期を迎えつつある。それは薬疹に伴って(あるいはそれに先行して,あるいは後遺症として)生じてくる潜伏ウイルスの再活性化が,その病態に大きな影響を与えることが明らかになってきたからである。その結果,薬剤のみにより生じていると考えられてきた薬疹においてもウイルスの影がみえてきたのである。このような皮膚科発の新しい概念は,耳鼻咽喉科領域におけるさまざまな炎症性疾患の発症機序の解明に新しい考え方をもたらすかもしれない。
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