今月の主題 心不全診療の動向
特異性のある心不全の診断と治療
心室中隔穿孔
木全 心一
1
1東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所・内科
pp.72-73
発行日 1985年1月10日
Published Date 1985/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219581
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現状
心室中隔穿孔とは,急性心筋梗塞の時期に生じた心室レベルでの左右短絡である.1979年に,厚生省の班会議のとき,全国の主だったCCUでの死亡率を調査した.このときの心室中隔穿孔の死亡率は85.7%にも及び,あまりの高さに驚いた.
そこで,東京女子医大での集計をしたのが図1である.catecholamine,血管拡張薬,大動脈内バルンパンピング(IABP)などの新しい治療法,Swan-Ganz熱希釈カテーテルが定着しだした1977年を境にして,その前後で比較してある.1976年以前では,手術にもっていく前での死亡率は77.3%にも及び,手術で助けられている症例は13.6%でしかない.しかし,1977年以降は,手術にもっていく前での死亡率は41.2%と低下し,手術で生存し得た症例が47.1%と大幅に増加した.内科療法,外科療法の長足の進歩が認められる.
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