特集 耳鼻咽喉科感染症の完全マスター
Ⅱ.病原体をマスターする
3.ウイルス感染症
1)インフルエンザウイルス
増田 佐和子
1,2
,
竹内 万彦
3
1国立病院機構三重病院耳鼻咽喉科
2国立病院機構三重病院臨床研究部
3三重大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
pp.152-157
発行日 2011年4月30日
Published Date 2011/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101835
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Ⅰ はじめに
疾病としてのインフルエンザの歴史は古く,松本1)によれば,わが国では冨士川の『日本医学誌』中の鎌倉時代の疫病の項にすでにインフルエンザと考えられる記載があるという。1917年~1918年にはスペインかぜが世界的に猛威をふるい,1931年にブタから,1933年にヒトから,インフルエンザウイルスが初めて分離された。以来約80年が経過し,2009年にブタ由来の新型のパンデミック・インフルエンザH1N1(パンデミックインフルエンザA/H1N1 2009,以下A/H1N1pdm)が出現したことは記憶に新しい。本稿では,インフルエンザウイルスの分類,疫学,感染による臨床像,ワクチンと治療薬などについて概説する。
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