Japanese
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目でみる耳鼻咽喉科
下咽頭癌頸部リンパ節転移に起因した頸胸部壊死性筋膜炎の1例
Cervicothoracic necrotizing fasciitis arising from lymph node metastasis of hypopharyngeal carcinoma:a case report
松村 聡子
1
,
中平 光彦
1
,
菅澤 正
1
,
小村 豪
1
,
髙城 文彦
1
,
盛田 恵
1
,
安部 貴大
1
,
嶋村 由美子
1
,
横川 秀樹
2
,
廣川 詠子
2
Satoko Matsumura
1
1埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科
2埼玉医科大学国際医療センター形成外科
pp.272-274
発行日 2011年4月20日
Published Date 2011/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101787
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Ⅰ.はじめに
壊死性筋膜炎は細菌感染による筋膜の壊死性変化を病態とし,敗血症や播種性血管内凝固(DIC)を合併して多臓器不全(MOF)へと移行する致死率の高い疾患である。頸部の壊死性筋膜炎の多くが口腔・咽頭領域の感染由来であり1),悪性腫瘍やその転移巣に起因する報告は少ない。今回われわれは未治療の下咽頭癌頸部リンパ節転移巣より感染が波及し,頸胸部壊死性筋膜炎を発症した症例を経験した。発生頻度は稀だが,癌の予後を極端に増悪させうる病態であるので文献的考察を加えて治療経過を報告する。
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