特集 頭頸部再建外科―日常臨床から理論まで
Ⅰ.再建材料とその採取法
2.皮弁 2)血管付き (2)前外側大腿皮弁
西嶌 渡
1
,
久保 和之
2
,
深谷 絵里
3
,
斉藤 喬
2
,
白倉 聡
1
,
畑中 章生
1
,
清川 佑介
1
,
野村 文敬
1
1埼玉県立がんセンター頭頸部外科
2埼玉県立がんセンター形成外科
3東京女子医科大学医学部形成外科
pp.28-33
発行日 2009年4月30日
Published Date 2009/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101414
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Ⅰ はじめに
頭頸部に原発した進行癌の根治的観血的治療では,遊離もしくは有茎の再建術を併用する機会が多い。術後の機能面や整容面での回復と維持には不可欠だからである。頭頸部領域は三次元の立体構造をしており,切除の部位や大きさにより,さまざまな再建方法が選択される。欠損部位が大きいため容積を必要とする再建材料が求められる場合,あるいは解剖学的特徴から薄い組織を必要とする場合など,その用途により条件に適した再建方法の配慮を必要とする。前外側大腿皮弁もその選択肢の1つである。当施設では,下咽頭・頸部食道の再建施行時には遊離空腸を第一選択にする場合が多いが,それ以外の場合で,遊離移植再建術を併用する場合には,前腕皮弁,前外側大腿皮弁,腹直筋皮弁の三者より選択している。この三者は,厚さが異なり,その用途の住み分けがある程度可能である。本稿では当施設における前外側大腿皮弁の使用方法,使用経験,採皮方法,再建部位の適応について言及する。
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