鏡下咡語
耳鼻咽喉科の学校保健の変遷と歴史
神田 敬
1
1神田耳鼻咽喉科医院
pp.561-563
発行日 2008年7月20日
Published Date 2008/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101299
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Ⅰ.はじめに
学校保健に永年かかわってきた関係上,『鏡下咡語』に執筆依頼を受けたこの機会に学校保健のなかでの耳鼻咽喉科の変遷を書き残すことにした。戦後のベビーブーム時代の就学児童生徒数の多人数に対して耳鼻咽喉科医の数も少なくその対応に苦労された先達がいろいろと批判もあったが,『重点的健診』の案を企画され,対応してきた。学校保健の抱える問題点は複雑多岐で少子高齢化社会,都市化,核家族化,情報社会化などの社会環境やライフサイクルの変化が著しく,子どもたちの心身への影響は大きく,山積している現況である。
耳鼻咽喉科学校医も各地で定期健診ばかりでなく健康教育,学校保健委員会活動で日頃活躍しており,平成19年度の日本耳鼻咽喉科学会の調査でも耳鼻科の健診率が約80%まで向上していることがわかり,よろこばしい限りである。
なお,日本医師会では新しい学校医活動のなかに健康教育に力点をおいた学校医のあり方に方向性を示すことになり,日本耳鼻咽喉科学会学校保健委員会に助成金が給付され,『耳鼻咽喉科の健康教育マニュアル』を作成し好評を得ていることと,『学校保健のQ and A』を日本耳鼻咽喉学会HPに載せており,広く利用されていることを書きそえる。
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