特集 オフィスサージャリー・ショートステイサージャリー
14.声帯囊胞手術
梅野 博仁
1
1久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
pp.113-121
発行日 2008年4月30日
Published Date 2008/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101253
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Ⅰ はじめに
声帯囊胞は声帯粘膜に生じる囊胞であり,嗄声の原因となる疾患である。声帯囊胞の手術はラリンゴマイクロサージャリーによる完全摘出が望ましいことは周知の事実である。しかしながら,薄い囊胞壁を損傷せずに周囲組織から剝離し,囊胞のみを完全摘出するには多少の技術を要する。また,症例によっては外来での内視鏡下手術を行っている施設もある。本稿では,最初に声帯囊胞の臨床における診断方法,声帯囊胞の分類について解説する。次に,声帯囊胞の手術について過去に報告された方法を紹介した後に,筆者が現在行っている手術方法を実際の症例を挙げて解説する。また,声帯囊胞摘出後と声帯囊胞を声帯上皮ごとに鉗除あるいは切除した後との異なる術式後の音声比較について,論文を引用して紹介する。最後に声帯囊胞に関連する稀な疾患として筆者らが過去に報告した声帯mucosal bridge症例を紹介する。
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