リハビリテーション・その現状
開業医とリハビリテーション医療
西田 一彦
pp.528-531
発行日 1981年6月1日
Published Date 1981/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207495
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
開業医の場でのリハビリテーション医療の対象の大部分は脳卒中患者であり,『実地医家のための会』の調査によっても,いわゆる寝たきり患者の大半は脳卒中後遺症によるものである(図1).年々増加傾向の寝たきり患者(老人)の多くは適切なリハビリテーション医療を受け得なかったために,いわば作り出された寝たきり患者(老人)と言っても過言ではないであろう.脳卒中患者を寝たきりにしないために,そしてまた肢体不自由な状態を維持しながらも,社会への完全参加を容易にし促進するためにも,地域におけるリハビリテーション医療のあり方を真剣に考え,システム化し,実践することが急務である.国際障害者年行動計画書に書かれた概念と原則の⑤は極めて示唆に富んでいる.それは"障害は,ある個人とその環境との関係において生ずるものであると考えるのが解決法として建設的で,この考え方が広まっているが,まず‘能力不全’を‘不利’にならしめている社会条件を見つめなければならない."というのである.この原則と概念を基に地域における,特に開業医の立場からのリハビリテーション医療のあり方について述べてみたい.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.