特集 結核医療と病院
最近の結核医療の問題
御園生 圭輔
1
1結核予防会保生園
pp.15-19
発行日 1966年3月1日
Published Date 1966/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202799
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昭和38年結核実態調査による全結核要医療者推計数203万人について,生活規正面からの指導区分をみると,要入院46万人(22.7%),要在宅休業31万人(15.2%),就業化学療法126万人(62.1%)となっている。要医療者中要入院の占める割合は3回の結核実態調査の間では変化してきている。すなわち,昭和28年には46.8%であったものが33年には28.4%となり,38年には22.7%にまで低下してきた。この10年間の結核医療,結核行政の浸透により,結核のまん延程度が減少してきたこと,早期発見,早期治療が普及し重症者が減少してきたことが要入院の率を低下させているのであるが,一方,化学療法の進歩と治療後の追跡調査からの経験とが就業化学療法に対する自信をつけたこともこの率の変化に関係していることは否めない。
安静は長い間,すべての結核患者の守らなければならない至上命令であったが,化学療法の進歩普及の結果は安静の価値をかなり変えてしまった。
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