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特集 医療連携の新ルール
―開業医からみた医療連携の新ルール―病診連携のみならず,開業医間の診療連携が必要である
Cooperation among clinics for patients care with diabetes mellitus
新井 桂子
1
,
平尾 紘一
2
1あらいクリニック
2H.E.Cサイエンスクリニック
キーワード:
①開業医間の診療連携
,
②医師のネットワーク
,
③チーム医療
,
④糖尿病療養指導士
,
⑤クリティカル・パス
Keyword:
①開業医間の診療連携
,
②医師のネットワーク
,
③チーム医療
,
④糖尿病療養指導士
,
⑤クリティカル・パス
pp.603-608
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100735
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神奈川県では2005年4月に開業医間の診療連携体制である「神奈川糖尿病ネットワーク」を発足させたので,本稿ではその概略を解説するとともに開業医の視点から糖尿病の診療連携について考察する.
2002年の厚生省の糖尿病実態調査によれば,糖尿病および糖尿病予備軍は20歳以上の人口の約10%に当たる1,620万人にのぼり,そのうちの半数以上が未治療であると考えられる.また,糖尿病合併症による成人失明や腎透析も増加している.糖尿病合併症の増加,進展は患者の生活の質を損ねるのみならず医療経済も圧迫する1).また,1型糖尿病を対象としたDiabetes Control and Complication Study(DCCT)2)や2型糖尿病を対象としたUnited Kingdom Prospective Diabetes Study(UKPDS)3),Kumamoto Study4)などの大規模臨床試験の結果から,合併症の発症予防には良好な血糖コントロールが重要であることが明らかとなっている.これらのことから,糖尿病合併症の予防や進展阻止のためには,未治療患者の治療を進め,また十分な血糖管理を行うことが大切であり,地域における糖尿病対策が大きな役割を果たすと考えられる.
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