特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のリハビリテーション―症例を中心に
各論
2.音声言語ならびに嚥下 1)口蓋裂術後,鼻咽腔閉鎖不全に対するリハビリテーション
守本 倫子
1
,
佐藤 裕子
2
1国立成育医療センター耳鼻咽喉科
2国立成育医療センターリハビリテーション科
pp.107-114
発行日 2007年4月30日
Published Date 2007/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101088
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Ⅰ はじめに
口蓋裂は日本では約500人に1人の割合の発生頻度と報告されており,それほど稀な疾患ではない。口唇口蓋裂の治療では,通常口唇形成術,口蓋形成術,顎裂骨移植,口唇外鼻修正術など一連の手術が出生時から成人に至るまで必要となり,精神面を含め,本人,家族の負担は大きい。年齢的にも言語の習得に重要な時期であり,小児科,麻酔科,形成外科,歯科口腔外科,リハビリテーション科と耳鼻咽喉科などの複数の専門科が連携をとって問題の解決に当たっていくチーム医療が一般的になりつつある1)。これにより,患者の顎顔面の成長,発育を観察しながら治療計画を立案することの重要性が認識されている。当院では,形成外科,口腔外科,リハビリテーション科と耳鼻科が合同で口蓋裂チーム外来を開設し,口蓋裂術後や鼻咽腔閉鎖不全の児に対して構音訓練や外科的治療の適応などについて定期的に検討している。本稿では,当院で行われている訓練とチーム外来の介入について概説する。
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