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特集 新生児聴覚検診の役割
3.検診でreferになった児の取り扱い
3.How to explain“refer”to the parents
中澤 操
1
Misao Nakazawa
1
1秋田県立リハビリテーション・精神医療センター耳鼻咽喉科
pp.487-493
発行日 2007年6月20日
Published Date 2007/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101068
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Ⅰ.はじめに
聴覚障碍児の早期発見は長い間の夢であった。大脳の言語習得適期を考慮すると,聴覚障碍が新生児期に抽出され,かつ速やかに療育軌道に乗ることは理想である。平成12(2000)年度から厚生班研究が,2001年からは岡山県,秋田県,神奈川県(その後終了)で公的検診が,同時期から産科現場にスクリーニング機器が販売され多くの私的検診も開始された。2006年末現在,全国の出産現場の約6割にスクリーニング機器が導入されているといわれる。しかし期待されていた効果のみならず,実際には検診を取り巻くシステム作りの遅れに起因する多くの問題が噴出することとなった。その実態や背景も徐々に解明されてきたが,開始から5年以上経過した現在,これらの問題の解決は各地域の努力にゆだねられている。本稿では,検診システムの根幹ともいえる,referとなった児の取り扱いに焦点を当てつつ,システム作りの本質的な課題にも触れたいと思う。
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