特集 帝王切開分娩と看護
帝王切開で生まれた児の取り扱いと看護
千葉 ヒロ子
1
1聖隷学園浜松衛生短期大学母子看護研究室
pp.468-474
発行日 1983年6月25日
Published Date 1983/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206250
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はじめに
近年,医療技術の進歩,手術時の適切な麻酔管理,十分な感染防止対策等の医療水準の向上に加えて,少数出産時代となり,帝王切開の適応は拡大されてきている。このように適応が拡大されると,全分娩中の帝王切開の占める率は明らかに高くなってくる。
元来,帝王切開は,母児ことに児の救命が,経腟分娩を遂行するよりも安全であるということが,その目的となっている。ゆえに帝王切開で生まれた児(以下,帝切児とする)の管理はそれほど困難であってはならないはずである。しかし,緊急帝王切開となった症例や,何らかの理由で開腹から児娩出までが長くかかり,麻酔による影響を多く受けた胎児では,状態が悪化していることが多く娩出時の迅速かつ適切な取り扱いとその後のゆき届いた管理が大切となってくる。
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