特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の機能検査―何がどこまでわかるか―
I.聴覚検査
1.聴覚検査の進め方
小田 恂
1
1東邦大学医学部第一耳鼻咽喉科学教室
pp.7-12
発行日 2003年4月30日
Published Date 2003/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100971
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
この増刊号は耳鼻咽喉科機能検査に関する理論と実際の特集で,Iの聴覚検査の項では聴覚機能を評価する基本的な検査法について詳述されている。詳しくは各項目を熟読していただくとして,ここでは聴覚検査をどのように進めていくかについて述べる。
本書に限らず耳鼻咽喉科の教科書や専門書をひらくと,聴力検査の評価にはまず最初に純音聴力検査法が記述され,それに続いて語音聴力検査や閾値上聴力検査などの心理学的検査法,引き続いて様々な他覚的聴覚検査法が記述されている。たいていの場合,それぞれの検査法が独立して記述されており,検査法それ自体の知識を修得するには適しているが,臨床の現場における検査法の有機的な関連性について解説されたものは少ない。そのため,初学者にとっては純音聴力検査を含めて全ての検査法が同等の臨床的意義があると考えている人も少なくない。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.