今月の主題 肝硬変update―より良き診療のために
肝硬変の診断法
ウイルス検査の進め方
渋谷 明隆
1
1北里大学病院消化器内科
pp.1138-1142
発行日 2012年7月10日
Published Date 2012/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106033
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ポイント
★B型肝硬変はHBs抗原陽性/HBs抗体陰性により原因診断できる.HBe抗原陽性は野生株でHBVの増殖力が高いことを示す.
★HBV genotype Cはgenotype Bに比べHBe抗原陽性率が高く,肝硬変や肝細胞癌を早期に発症し予後不良である.
★血中のHBV DNA量は核酸アナログ製剤の治療効果の指標になる.HBV core関連抗原は,肝細胞内のcccDNA量を反映しており,核酸アナログの中止の指標になると考えられる.
★血中HBs抗原陰性のHBV感染では,免疫抑制薬や抗がん薬投与時にHBV DNAが増殖して重度の肝障害をきたすことがある.
★C型肝硬変では感染後長期間を経ているので,HCV抗体陽性を確認することでC型肝硬変の原因診断は可能である.
★IFN治療効果はHCV genotype 1型では2型より低い.宿主側のIL28B領域の遺伝子多型(1塩基多型)とgenotype 1bのcore領域,NS5A領域の遺伝子変異はウイルス側の治療予測因子となる.
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