特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の機能検査―何がどこまでわかるか―
序
竹中 洋
1
1大阪医科大学耳鼻咽頭科学教室
pp.5
発行日 2003年4月30日
Published Date 2003/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100970
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耳鼻咽喉科・頭頸部外科が主として処置に意義を見いだしている診療科か,あるいは検査に重きを置く診療科であるか,この質問に真剣に答えを求める時が今来ている。もちろんここでいう検査は検体検査ではなく,生理機能検査であり,検体採取に医師が関わる検査を指す。平成15年(2003年)4月から特定機能病院を対象として導入された診断群分類に基づく包括支払い(diagnosis procedure combination:DPC)では,入院中の検査は包括支払い区分に分類される。
当然のことながら,診断に意味のある検査は外来で施行され,入院時診断群が固定され,主として医療資源を投入する診断が下される。手術が選択されるか,保存的治療で解決されるかがわかれば,次に効果判定の検査項目がリストアップされ,最小限度の検査で患者に最良の情報が提供されることが望まれる。そこで必要なことは,個々の検査を通じて「何が,どこまでわかるか」という学問的・論理的裏づけである。幾つかの検査を組み合わせて行う場合は,その組み合わせそのものが質的,量的に医師の裁量権の範疇で問われることとなる。
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