特集 スポーツと耳鼻咽喉科疾患
4.喉頭
三枝 英人
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.853-858
発行日 2006年10月20日
Published Date 2006/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100862
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Ⅰ.スポーツと喉頭の関係
余暇としての運動は,例えば兄弟で戯れる犬や猫など広く哺乳類で認められるものである。スポーツとはヒトにおいてさらにそれを意識的に『運動を行うことを目的として行うもの』と定義することができよう。しかし,おそらく,原始共同体社会には,スポーツという概念はなかったものと推察される。スポーツの萌芽は農耕を始めとした生産性社会の発達1)とともに,競技として,みせるために,みるためにという要素をもちつつ,真に“culture”として発展してきたものと考えられる。
現在では,その“culture”の発展とともに,単に競技というものから,自らの身体の,さらには精神の鍛錬や健康のためにと意識的にあちらこちらでさまざまなスポーツが行われるようになっている。生産性社会の発展,いうなれば食の分化の発展とともにスポーツが変遷してきたともいえるわけであるが,一方で同じく生物として欠くことのできない『呼吸』とはどのような関係を有しているのであろうか?
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