特集 スポーツと耳鼻咽喉科疾患
5.頸部
市村 恵一
1
1自治医科大学医学部耳鼻咽喉科
pp.859-862
発行日 2006年10月20日
Published Date 2006/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100863
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Ⅰ.はじめに
スポーツと耳鼻咽喉科疾患という題が与えられたが,そうなるとスポーツによる頭頸部領域の外傷・損傷と,スポーツを行うに当たり注意の必要な耳鼻咽喉科疾患を扱うことになる。このどちらの項目においても,対象となる臓器は重症度,後遺症などの観点からみて頸椎,頸髄が中心となり,その担当は整形外科となる。実際に耳鼻咽喉科医が頸部病変で担当するのは気道・食道系である中・下咽頭,喉頭や頸部大血管の病変が主の場合に限られてしまう。それも大血管の開放創なら救急部レベルで処理されてしまい,耳鼻咽喉科に回ってくるのは挫傷による血腫レベルのものである。また,頸部の鈍的外傷で頸椎に問題のない場合は喉頭や気管の損傷が中心となる。しかし,本特集では別に喉頭の項目があるのでこれも除くと扱う内容はきわめて制限される。本稿では整形外科領域の疾患が中心となるが,スポーツによる頸部の外傷を概説し,一次処置の方法にも触れることとする。
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