目でみる耳鼻咽喉科
喉頭結核の4例
佐藤 慎太郎
1
,
宮崎 純二
1
,
溝上 宏之
1
,
林田 精一郎
1
,
木寺 一希
1
,
津田 邦良
1
,
井之口 昭
1
1佐賀医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.638-639
発行日 2000年9月20日
Published Date 2000/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902235
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近年,結核感染が再び増加しており1),当科でも1995年以降に4例の喉頭結核症例を経験した。近年の喉頭結核は腫瘤形成型が多く,肺結核を合併しない症例もあり2,3),早期診断が重要である。自験例ではいずれも喫煙歴はなく,胸部X線写真で異常陰影を認め,初診時から喉頭結核が疑われていた。また症例1,4では,結核や肋膜炎の既往歴があった。症例4を除き三者併用療法を行い肺病変,喉頭病変のいずれも2000年3月現在治癒状態である。
症例1は87歳,男性。嗄声を主訴に1995年6月に入院した。左声帯に腫瘤性病変を認めたため生検を行い,喉頭結核の診断を得た(図1)。
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