Japanese
English
シリーズ DPCに対応したクリニカルパスの実際
⑭睡眠時無呼吸
⑭Sleep apnea
原田 保
1
Tamotsu Harada
1
1川崎医科大学耳鼻咽喉科
pp.343-349
発行日 2007年4月20日
Published Date 2007/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100854
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Ⅰ はじめに
医療行為は安全に的確に行い,患者に満足していただくことが非常に重要である。現在の医療環境においてこのような『医療の質の向上』『事故の防止』はもちろんであるが,教育および経済面などの『効率』も考えなければならない。大学付属病院などでは診断群分類に基づく包括医療制度(diagnosis procedure combination:DPC)1,2)や新研修医制度が導入され医療の標準化が必要となり,クリニカルパス(以下,パスと略す)が重要視されている。パスの利点として松島ら3)は『医療の標準化』『医療資源および時間の効率化』『患者の時間および経済負担の適正化』『異常の早期発見と対処』『事故の防止』『患者への説明,インフォームド・コンセント』『医療管理』などを挙げている。耳鼻咽喉科領域の疾患は多種あり,バリアンスが多く,パス化しにくいものもある。本疾患の外科的治療は,(1)アデノイド切除術,(2)口蓋扁桃摘出術,(3)口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP),(4)鼻手術を挙げることができる。
症例により多少異なるが,上述した口蓋扁桃摘出術や口蓋垂軟口蓋咽頭形成術を中心に単独あるいは組み合わせて行い,手術手技や入院期間などがほぼ一定でありパス化しやすい。当院では医療の質を標準化し,入退院をスムーズに行い入院期間の短縮とともに患者の満足度を向上させる目的でパスを作成して運用している。当科での睡眠時無呼吸における手術時のパスについて記載させていただく。
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