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特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の癌化学療法レジメン
Ⅰ.口腔咽頭癌(扁平上皮癌)の化学療法
1.手術不能例に対して―(2)選択的動注療法
(2)Targeted Chemoradiation Protocol for Inoperable Oral or Pharyngeal Squamous Cell Cancer
遠藤 壮平
1
,
木田 亮紀
1
Sohei Endo
1
1日本大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.929-933
発行日 2004年12月20日
Published Date 2004/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100758
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I.はじめに
本邦では,頭頸部癌に対する動注療法は1966年の佐藤ら1)の報告以来,上顎癌に対しては比較的標準的に施行されてきた。しかし,当時は浅側頭動脈から逆向性にカテーテルを挿入留置して行うもので,選択性に欠けていた。1980年代後半には,Seldinger法にてカテーテルを挿入して(超)選択的に動注する方法も報告されたが2,3),一般的にはならなかった。
ところが1992年,Robbinsら4)がSeldinger法でカテーテルを挿入し,腫瘍栄養動脈に多量のシスプラチン(CDDP)を注入(超選択的動注)すると同時に,チオ硫酸ナトリウム(STS)を点滴投与して全身に回るCDDPを中和して腎毒性を軽減するという方法で,優れた局所効果を報告した。また,放射線照射と合わせて動注するとさらに高い効果が得られると報告5)して以来,本邦でも追試され高い局所制御が報告されている。
本稿では,手術不能例に対して施行される超選択的動注療法のレジメンを本邦での報告を中心に紹介する。
なお,meta-analysisでも放射線照射と同時に化学療法を施行する方法が最も効果が高いとされているので6),基本的には照射療法との同時併用が推奨されよう。
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