Japanese
English
特集 好酸球性中耳炎
2.好酸球性中耳炎の病態
2.Pathogenesis of Eosinophilic Otitis Media
野中 学
1
Manabu Nonaka
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.179-183
発行日 2004年3月20日
Published Date 2004/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100547
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
中耳貯留液中に好酸球浸潤を伴い,治療に抵抗性の滲出性中耳炎は好酸球性中耳炎と呼ばれている。気管支喘息患者に発症することが圧倒的に多い。したがって,滲出性中耳炎を診察する場合に,好酸球性中耳炎かどうか疑うには,患者が気管支喘息に罹患しているかどうか確かめることは大変重要である。また,気管支喘息は慢性副鼻腔炎を高率に合併し,鼻茸・副鼻腔粘膜には好酸球浸潤が多く認められる。感染性の慢性副鼻腔炎と比較して難治性である。4つの副鼻腔(上顎洞,前頭洞,篩骨洞,蝶形骨洞)に次いで,中耳を5番目の副鼻腔と考えると,気管支喘息,慢性副鼻腔炎,好酸球性中耳炎は全て気道の好酸球性炎症である。ときに同時に罹患する。
本稿では,これまで研究された好酸球性炎症に重要な因子を紹介し,気道好酸球性炎症に重要な因子と好酸球性中耳炎との関係を中心に,好酸球性中耳炎の病態を述べる。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.