特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅺ.好酸球関連疾患診療NAVI
1.好酸球性中耳炎
松原 篤
1
1弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学講座
pp.307-311
発行日 2012年4月30日
Published Date 2012/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102178
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Ⅰ 好酸球性中耳炎とは
好酸球性中耳炎は,好酸球を豊富に含んだ膠状の中耳貯留液を特徴とする難治性の中耳炎である。本症は1992年に「気管支喘息における難治性中耳炎」として富岡らにより報告され1),1995年に好酸球性中耳炎(eosinophilic otitis media)と命名された2)。
本症の最大の問題点は難聴の進行にある。鈴木ら3)よる全国調査では,聾に至った症例は6%であり,Nakagawaら4)によれば,適切な治療が行われない場合の難聴の進行速度は,通常の慢性中耳炎に比べて約10倍とされている。
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