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特集 好酸球性中耳炎
1.好酸球性中耳炎の概念と診断
1.Eosinophilic Otitis Media―Concept and Diagnosis―
松谷 幸子
1
Sachiko Matsutani
1
1仙台赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.173-176
発行日 2004年3月20日
Published Date 2004/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100546
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I.はじめに
好酸球性中耳炎は,成人発症型の喘息・アスピリン喘息患者に合併することが多く,ステロイドの全身投与が有効である。近年,気管支喘息の治療は吸入ステロイドでコントロールされることが多くなり,成人発症型の喘息や重症の喘息患者でもステロイドの全身投与の頻度が減少してきた。この頻度の減少は,今までステロイド全身投与により発症しなかった,または発症しても治っていた好酸球性中耳炎を増加させる可能性がある。好酸球性中耳炎は粘膜の病態がコントロールされない限り手術をしても完治に至らず,高率に骨導値の悪化を伴い聾に至る場合があることから,他の中耳炎と鑑別すべきである。
本稿では,好酸球性中耳炎の概念と診断について述べる。
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