Japanese
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症候群事典 K
Kearns-Sayre syndrome
Kearns-Sayre syndrome
古川 仭
1
1金沢大学医学部耳鼻咽喉科
pp.152
発行日 2006年4月30日
Published Date 2006/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100376
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定義・概念
1958年,KearnsとSayre1)は,外眼筋麻痺と網膜色素変性,心伝導障害を伴う2症例を報告した。その後,Zintzらが眼筋と肩の筋肉で,Shyらが骨格筋においてミトコンドリアの異常を見いだした。1989年,Holtら2)がミトコンドリアDNA変異を証明したことからミトコンドリア病と考えられた。本症候群は,Kearns-Shy症候群,慢性進行性外眼筋麻痺症候群(chronic progressive external ophthalmoplegia:CPEO)とも呼ばれる。
病因・病態・疫学
女性に多発し20歳以前に発症する。約60~70%の患者にミトコンドリアDNAの欠失が認められる。本疾患では,ほかのミトコンドリア病であるMERRF(myoclonus epilepsy with ragged red fibers),およびMELAS(mitochondrial encephalomyopathy, lactic acidosis and stroke-like episodes)とは異なり,異常ミトコンドリアは筋組織にみられ,血液や皮膚線維芽細胞には通常みられない。
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