症候群事典
序
吉原 俊雄
1
1東京女子医科大学耳鼻咽喉科
pp.13
発行日 2006年4月30日
Published Date 2006/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100248
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耳鼻咽喉科の日常診療において遭遇する症候群としてはSjögren症候群,Frey症候群,頸静脈症候群,睡眠時無呼吸症候群,Ramsay Hunt症候群,Kartagener症候群をはじめとして,そのほかさまざまな先天性の症候群がすぐに思い浮かびます。しかし一方では,内科,小児科などの他科の症候群について問われた際に即座に理解できないことも多々あります。また,そのような症候群の多くには耳鼻咽喉科領域の奇形や難聴をはじめとする耳疾患,鼻・口腔・咽喉頭の疾患や機能障害を伴っているのも事実です。新しい概念の症候群の追加や,逆に最近はすでに使用する頻度の低い症候群などが出てきましたため,一度整理する必要がありました。
さて,症候群事典としては,これまで内科系の書物として豊富な症候群を含むものが出版されており,また耳鼻咽喉科領域についても1992年に医学書院より「耳鼻咽喉科・頭頸部外科 症候群事典」として発行され大変好評を博しました。そして症候群の数をさらに増やし,特に耳鼻咽喉科に関連する疾患を含み,より詳しい内容の充実した事典の発刊がこれまで切望されていましたが,なかなか実現しませんでした。このたび,われわれ耳鼻咽喉科医の日常臨床の場で役立つ症候群事典を第一の目的として,必要な症候群をピックアップし,全国多数の先生方に執筆をお願いいたしました。
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