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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(2)1991年10月 広島
学術展示
Blastic crisisに伴い両眼性漿液性網膜剥離をきたした慢性骨髄性白血病の1例
Blastic crisis and bilateral serous retinal detachment in chronic myeloid leukemia
大越 貴志子
1
,
山口 達夫
1
,
松葉 裕美
1
,
草野 良明
1
,
神吉 和男
1
Kishiko Ohkoshi
1
,
Tatsuo Yamaguchi
1
,
Hiromi Matsuba
1
,
Yoshiaki Kusano
1
,
Kazuo Kanki
1
1聖路加国際病院眼科
pp.488-489
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908427
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- Abstract 文献概要
緒言 Blastic crisisは慢性白血病の経過中に急激な腫瘍細胞増多をきたし,急性白血病症状を呈することである。白血病の経過中に後極部の漿液性網膜剥離をきたすことはすでに知られているが1〜5),blastic cri-sisと同時に発生したという報告はいまだない。今回blastic crisisと同時に両眼底の後極部漿液性網膜剥離をきたした症例を経験したので報告する。
症例 43歳男性。主訴は両眼の視力低下。家族歴,既往歴には特記すべきものなし。1987年よりPh1染色体陽性の慢性骨髄性白血病にて加療中2回blastic crisisをきたし,1990年12月に3回目のblastic crisisにて内科入院となった。ただちにvindesin,cytosine arabinoside (Ara-C),predonineにて化学療法が開始され,また髄液中への浸潤も認められたのでAra-C髄注された。その後一時腫瘍細胞が消失したが,1991年1月11日再び白血球数は80,000/mm3となりVCTAEP療法(vindesin,cyclophosphamide,TPH-adriamycin,BHAC,predonine,VP-16)が2回施行された。2月4日,一時減少していた腫瘍細胞が急増し同時に視力低下を訴えて眼科を受診した。
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