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ぶどう膜炎
湯浅 武之助
1
1大阪大
pp.393-394
発行日 1990年3月15日
Published Date 1990/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908116
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本年は9月の日本中部眼科学会に際して第17回日本ぶどう膜炎研究会が開催され,その際のテーマに「ベーチェット病」と「ぶどう膜炎の基礎的研究」が選ばれているので,今回の第18回日本ぶどう膜炎研究会を兼ねたG.D.では「ベーチェット病以外の臨床報告」という範囲で演題を募集し,応募された全演題を採用した。ぶどう膜炎の種類は非常に多く,それぞれの疾患に遭遇する頻度は決して多くないため,演題の対象疾患,検討方法とも多岐にわたっていた。最近進歩した技術を利用することも含めて,個々の疾患についての原因や病態を解明し,治療を改善しようという努力が続けられている一方,多様な病態の一端を紹介したものもあった。HTLV-1,前房中のリンパ球や抗体検査,フレアセルメーター,アシクロビル,ECCEなどが話題性のあるものとして取り上げられていた。
(1)山村ら(金沢医大)は腎移植術に伴う拒絶反応後のCMV網膜炎の1例を報告し,OKT3製剤投与との関連の可能性を指摘した。(2)原田ら(島田市民病院)はアシクロビル,光凝固が有効であった桐沢型ぶどう膜炎の症例を報告し,光凝固の有効性を強調した。光凝固の方法,硝子体混濁の子防について討論があった。(3)梅野ら(県立宮崎病院)は各種ぶどう膜炎患者のHTLV-1抗体を検討し,HTLV-1陽性で原因不明のぶどう膜炎はHTLV-1感染者のmyelopathyに伴う可能性のあることを指摘した。
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