特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略
Ⅱ.治療の実際
4.難治性緑内障治療の実際
再手術例の治療
原 岳
1
1自治医科大学眼科学教室
pp.249-250
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907928
- 有料閲覧
- 文献概要
濾過手術の予後不良の因子として,若年者(40歳以下),無水晶体眼,血管新生緑内障,ぶどう膜炎,先天緑内障,瘢痕性疾患(Stevens-Johnson dis—ease,眼天疱瘡),角膜移植後,網膜硝子体手術既往とともに,previous failed filter,すなわち濾過手術をしながらも濾過胞が限局,消失した症例が挙げられている1)。Previous failed filterの症例数は,どのくらいあるのだろうか。
代表的な濾過手術である線維柱帯切除術についてみると,線維柱帯切除術の術後眼圧調整成績は,投薬併用で5年後に眼圧16mmHg未満の調整が得られる確率は,代謝拮抗薬である5—フルオロウラシル(5—FU)またはマイトマイシンC (MMC)併用の場合では約75%である2)。症例によって目標眼圧は異なるものの,術5年後には約1/4の症例で再手術の検討が必要とされる可能性があることになる。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.