特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略
Ⅱ.治療の実際
3.手術治療の実際
Viscocanalostomy推進派の立場から
山岸 和矢
1
1ひらかた山岸眼科
pp.199-202
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907909
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はじめに
緑内障手術は多くの術式があり,緑内障の病型,病期,年齢,人種の違いによっても選択される術式は多岐にわたっている。原発開放隅角緑内障に限っても幾多の術式があり,それだけまだ決め手のない難しい疾患といえる。
現在日本で多く用いられている線維芽細胞増殖抑制薬としてMMC (マイトマイシンC)を併用するtrabeculectomy (以下,LET)は,より低い眼圧コントロールを実現したが,術後浅前房や術後感染などの発生は少なくない。そこで術式改良やlaser suturelysisなどの術後管理法の進歩により,術後合併症はより少なくなった。また,合併症の少ない非穿孔性trabeculectomy (non-pene—trating trabeculectomy:NPT)が考案されること自体,濾過手術において合併症が最大の問題点であることがわかる。以前よりは濾過手術は画期的に進歩したが,残念なことに現時点では,眼科医自身が原発開放隅角緑内障と診断されたときに白内障手術のように安全な手術として受け入れられるにはまだ到達していない。
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