特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略
Ⅱ.治療の実際
3.手術治療の実際
Viscocanalostomy推進派の立場から
三宅 三平
1
1眼科三宅病院
pp.203-206
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907910
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はじめに
最近ヨーロッパを中心に,術中に前房へ穿孔せず(非穿孔性),深層強膜切除(deep sclerectomy)を加え,マイトマイシン(MMC)以外の癒着防止物質を使用する手術がいくつか報告されている1〜3)。Viscocanalostomyもこのような術式の1つであるが,他の方法に比して術後の濾過胞を作らないでおくという意識を強く持った術式である。
この方法は南アフリカのStegmannによって考案されたが,彼の患者はほとんど黒人で,黒人は術後の瘢痕形成が強く,術後になかなか濾過胞ができず,もし濾過胞ができても劣悪な公衆衛生状態から術後の合併症が起こりやすという背景があった。このために,できるだけ術後の処置が簡単で,濾過胞が不要の術式が必要とされた。
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