特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略
Ⅱ.治療の実際
3.手術治療の実際
非穿孔性線維柱帯切除術慎重派の立場から
羽田 麻以
1
,
白土 城照
2
1東京医科大学眼科学教室
2東京医科大学八王子医療センター眼科
pp.196-198
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907908
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はじめに
非穿孔性線維柱帯切除術(nonpenetrating trabe—culectomy:NPT)は1984年Zimmermanら1,2)によって報告されたが,ほとんど追試されることもなく,さほど注目されなかった術式である。この術式が現在わが国において注目されている理由は,1996年に大矢ら3)がマイトマイシンC (MMC)を併用することによって濾過効果が持続されるばかりでなく,従来のMMC併用線維柱帯切除術に比べて安全性が高い術式であることを報告したことによる。しかし,従来の線維柱帯切除術に比べて手技の難易度が高いだけではなく,得られる術後眼圧値も高いという問題がある。本稿ではMMC併用NPTの持つ問題点を述べ,その適応と限界について筆者らの考えを述べる。
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