特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略
Ⅱ.治療の実際
3.手術治療の実際
非穿孔性線維柱帯切除術推進派の立場から
黒田 真一郎
1
1永田眼科
pp.191-195
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907907
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はじめに
非穿孔線維柱帯切除術(non-penetrating trabe—culectomy:NPT)は1984年Zimmermanらにより初めて報告された術式で,緑内障眼における防水流出抵抗の高い部位とされている内皮網を除去し,防水流出率を増加させることで眼圧下降を得ようとする濾過術式である1)。この術式の特徴は,線維柱帯組織を残すことにより,一定の流出抵抗を保つことで過剰濾過を防止することができることである。その結果,浅前房や持続性低眼圧といった術後早期併発症が減少し,比較的安全な濾過手術と考えられていた。その後,マイトマイシンCを併用した術式2)や,その濾過効果を増強したadvanced NPTも報告され3),最近では多くの施設で行われている。
ここでは,advanced NPTの推進派の立場から,その他の緑内障手術であるトラベクロトミーやトラベクレクトミーと比較して,その長所・短所をふまえたうえで,実際の治療の中でどのように適用するか,また,なぜ優先的に適用したいのかを述べてみたい。
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