連載 他科との連携
災い転じて福となす
武井 一夫
1
1筑波大学臨床医学系眼科
pp.985-986
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907351
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1.手術場改修—手術件数激減の危機に直面して
筑波大学附属病院は創立20年を過ぎ,多方面で設備の老朽化が目立つようになりました。特に中央手術室においては,配水管の内部腐食により流水圧が下がり,手洗いも満足にできなくなったため,1998年10月より改修工事を始めることが急遽決まりました。中央手術室は12室あり,ほぼ10室が常時稼働していましたが,4室ずつ改修工事に入り,そこに隣接する2室も実質的に使用困難となるため,使用可能な部屋は半減する見込みとなりました。必然的に,外科系は手術件数を減らさざるを得ない状況になりましたが,一方では病院収入をなるべく減らさないで効率のよい病床運営をするよう文部省から求められ,また附属病院は筑波研究学園都市の中核病院として存在するものの,近年,周辺の中規模病院も充実して病院間の競争も激化しており,一旦離れてしまった外科手術対象患者を呼び戻すことが難しいと予想されることから,できる限り手術件数も減らさぬようにとの,不可能とも思えるお達しが病院執行部から出されました。
従来,全身麻酔の必要な手術のほとんどは中央手術室で行われており,改修期間は循環器,呼吸器,消化器外科などの手術を優先せざる得ず,これらの手術は長時間に及ぶものが多いため,時間効率のよい局所麻酔手術で件数を稼ぐ方法も困難と思われました。
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