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輪状暗点とマリオット盲点拡大が認められたAZOORの1例
石橋 一樹
1
1神戸大学眼科
pp.1912
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907142
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Acute zonal occult outer retinopathy (AZOOR)は急性発症する視野異常,眼底正常,網膜電位図の異常を特徴とする若年女性に好発する稀な網膜疾患である。Gassにより1つの疾患群として提唱されて以来,近年報告症例数が増加している。
本症例は24歳の健康な女性で急激な右眼の視野欠損を自覚して近医を受診した。神戸大学医学部附属病院眼科初診時は両眼ともに矯正視力1.0で良好な視力であった。眼底,蛍光眼底造影検査では異常がなかったが,ゴールドマン視野では右眼の輪状暗点,左眼のマリオット盲点拡大が測定された。Visual Evoked Response lmaging System (VERIS)を用いた多局所ERGで測定したところ,視野異常と一致した部位に応答密度の低下が認められ,本症例の視野異常は網膜レベルでの障害であることが推察され,AZOORと診断した。
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