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特集 脈絡膜の画像診断
AZOOR, MEWDS, OMD
Diagnostic imaging in AZOOR,MEWDS and OMD
岸 章治
1
Shoji Kishi
1
1群馬大学大学院医学系研究科病態循環再生学講座眼科学分野
pp.1774-1783
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103997
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はじめに
眼底検査は長らく検眼鏡と眼底造影によって行われてきたが,近年,画像診断の急速な進歩により,革命的な変化が起こっている。
光干渉断層計(OCT)は1997年に日本にはじめて導入された。当時のtime domain OCT(TD-OCT)は網膜内の層状構造は不明瞭であったが,エコーの性質ゆえに,網膜から薄く剝離した硝子体皮質を鋭敏にとらえることができ,黄斑円孔などの網膜硝子体界面病変の解明に寄与した。2002年に登場した改良型(Stratus OCT, Carl Zeiss Meditec社)では,視細胞内節外節接合部(IS/OS)と網膜色素上皮(RPE)の分離ができるようになり,視細胞外節の評価がある程度可能になった。2006年に上市されたspectral domain OCT(SD-OCT)では,さらに外境界膜(ELM)と錐体先端と考えられるCOST(cone outer segment tip)が描出できるようになった。これらの進歩により,網膜の視細胞外節を主病変とする疾患群「視細胞外節病」が存在することが明らかになってきた。
本稿では「外節病」の代表であるAZOOR,MEWDS,OMDにつき,画像診断の観点からその病態を論じる。
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