特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
Special lecture
小児水晶体疾患の治療と問題点
福島 美紀子
1
1熊本大学医学部眼科学教室
pp.168-172
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907059
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はじめに
小児期,特に乳幼児期は,視力の発達過程にあり,健全な発達のためには,網膜に鮮明な像が得られる適性な視性刺激が必要である。小児水晶体疾患(表1)により視性刺激遮断が生じると形態覚遮断弱視(視性遮断弱視)となる。この現象は両眼性の場合にも生じるが,特に左右差のある場合には競争に負けた弱い眼の発達(両眼でシナプス形成を競合するとされている)は著しく障害される。さらに3歳までは眼球の大きさが急速に変化する時期であり,それに伴い屈折も大きく変化する。この点から小児水晶体疾患の治療は成人と大きく異なる。視機能の発達を促し弱視を予防することが小児水晶体疾患の治療目標である。
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